コーヒーを飲んですぐに仮眠に入り20分後に目覚めることで即座に覚醒状態に入れる「コーヒーナップ」という技がありますが、わずか1杯のコーヒーであっても、体内時計を狂わせてしまう効果があることが明らかになりました。
コロラド大学ボルダー校のティナ・M・バーク博士らのチームは、5人の被験者に対してそれぞれ、「就寝の3時間前にエスプレッソ2杯分のカフェインが入った錠剤を飲ませる」「寝る前に明るい光を浴びる」「偽薬を飲む」ということを無作為で行いました。「光を浴びる」というのは、睡眠周期が遅れることが知られているためです。
実験は49日間にわたって行われ、その結果、カフェインを飲んだグループは、体内時計が約40分遅れた(後ろにずれた)とのこと。ちなみに、光を浴びた人の体内時計はその倍の80分ずれ、カフェインと光の両方を受けた人は105分のずれが出ました。ヘンリー・フォード病院で睡眠医学を研究するTimothy Roehrs博士は、「いつも11時に寝ている人の場合、就寝時間が真夜中にずれるということです」とこの現象を解説しています。このため、眠りにつくのが遅くなって、余計に朝起きるのが辛くなる……というサイクルに繋がってしまいます。