焼肉大国の韓国では、今年4月、クズ肉を集めて人工的に作られた「整形カルビ」が大量に出回っていることが報道され、国民にショックを与えた。
米国やドイツなど、産地が異なる牛肉にクズ肉を結着した“多国籍カルビ”や、骨のない外国産牛肉に食用接着剤で骨をつけた「骨付きカルビ」が、韓国産牛肉に偽装されていたのだ。
「食べ放題や、1皿二百円~六百円台でカルビ肉を出している激安焼肉店、千円以下で提供しているステーキ店では成型肉を大量に使っているところもあります。
「肉を固める過程で使う結着剤の中には、リン酸塩が含まれているものがあります。
リン酸塩は摂取しすぎると骨を弱くする性質があるのですが、退色防止にもなるし、弱アルカリ性なので、肉を日持ちさせる効果もあるのです」(同前)
そして、近年目覚ましい進化を遂げているのが、「霜ふり加工肉」だ。
剣山のような注射器針の機械で圧力をかけながら練乳や牛脂を肉に注入して作りあげるのだが、見た目には和牛霜ふり肉との差がわからないレベルにまで達している。
そして、「やわらか加工肉」は肉の筋や繊維を細かく切断し、酵素添加剤を加えて肉をやわらかくしたもので、ハラミなどによく用いられている。
「成型肉はしっかり焼かなくては安心して食べられない肉なのです。
2009年、ステーキチェーン店「ペッパーランチ」で、成型肉の角切りステーキを食べた43名に腸管出血性大腸菌O-157の食中毒が発生した。
また、『肉を焼くときにはトングを使ってください』などと、メニューや貼紙に表示するよう指導しています」
逆に言えばこれが書かれていれば、成型肉使ってるってことか・・・
全部の店に書かれているのかと思ってたぜw
今回、取材班は激安焼肉チェーン店に成型肉を使っているかどうか、アンケート調査を行った。
だが、ほとんどのチェーン店は回答すらしてこなかった。
きちんと回答したのは、「安楽亭」と「七輪焼肉 安安」だけで、その他の店は、「成型肉を使用しているか」という質問に、過剰なまでに拒絶反応を示した。


「今回はご辞退させてください」(「牛角」)
「うちはやましいところも隠すところも何もありませんが、特に回答はいたしません」(「風風亭」)
そのため、実際に店舗に足を運び、成型肉を使用しているかどうか実地調査を行った。
メニューや店舗内に成型肉の表示があるかどうか、実際の肉を確認するというリサーチも行った。
その結果、「あみやき亭」、「一番かるび」、「牛角」、「焼肉きんぐ」、「焼肉屋さかい」、「焼肉どんどん」は、成型肉を使っていることをメニューに表示していた。
「牛角」では「牛タン」「豚タン」「ハラミ」類に、成型肉が使われていた。
「牛繁」は、成型肉を使っているとの記述はないが、メニューの商品説明文には、「やわらか」や「漬け込む」などのコピーが再三使われており、店員が一部の肉に成型肉があることを認めた。
焼肉店を調査した結果、成型肉が多いベストスリーは、「カルビ」、「ハラミ」、「タン」だった。
「牛タンの喉のあたりは筋肉ですから丸くなっていないんです。
それで、いろんな部位を集めて、丸く形を整えています」
「焦げた肉は発がんリスクがあるので、なるべく食べないほうがいい。
一方で、成型肉は焦げるほどしっかり焼かないと食中毒の心配もある。
2009年の米ミネソタ大学の報告によると、高温で焦げるほどに調理された肉を食べ続けると、すい臓がんになる恐れが60%高くなるという。
また、南カリフォルニア大学公衆衛生学教室のアミット・ジョシー博士らの研究チームは、豚肉や牛肉などの赤身肉を週に1,5回以上、フライパンで焼いて食べている人は、進行性前立腺がんの危険率が30%も上昇することを確認した。
また、直火焼きなどで高温調理した赤身肉を週に2,5回以上食べると危険率はさらに40%まで上昇するという。