2015年11月28日土曜日

大人になってからでも脳細胞を育てることができる、「神経新生」のメカニズムを科学者が解説

医師でも「大人になると神経細胞が生成されなくなる」と思い込んでいることがあるわけですが、実際には大人の脳内でも新たな神経細胞が誕生しています。これは、「Neurogenesis(神経新生)」と呼ばれる現象です。


また、ロバート氏が神経新生とうつ病に関する研究を行った際、うつ病の実験動物は通常よりも神経細胞を生成する量が少ないことが判明しました。さらに、この実験動物に抑うつ薬を投与すると、神経新生が活発になったことも確認され、その後うつ病の兆候が減少したとのことです。つまり、神経新生とうつ病の間には明確に何かしらのつながりがあることがわかった、というわけ。従って、ロバート氏は自身の患者がガンから治癒したにもかかわらずうつ病に苦しんでいたのは、抗ガン剤が神経新生を遮断していたから、ということに気付いたそうです。



実際、学習・セックス・ランニングは神経新生を活性化し、反対にストレス・睡眠不足・老化は神経新生を不活性化することが研究により明らかになっています。



以下の写真は実験用のハツカネズミの海馬を観察した写真。黒色のドットが神経新生により新しく生まれた神経細胞で、左の写真はかごの中に回し車を設置しなかったネズミの、右は回し車を設置したネズミの神経細胞の数を示しています。回し車が設置されたかごにいたネズミの方がはるかに多くの神経細胞(神経新生により生成された)を有しており、ランニングがいかに神経新生と深く関わっているかが分かります。



以下の文字群は白色で囲まれた文字が「神経新生を活性化するもの」で、囲まれていない方が「神経新生を不活性化するもの」。例えば、「20~30%程度のカロリー制限」や「断続的な断食(食事の感覚を一定間隔にすること)」「ダークチョコレートなどに含まれるフラボノイドを摂取すること」「青魚や緑黄色野菜、豆類などから摂取できるオメガ3脂肪酸を摂取すること」は神経新生を活性化し、反対に、「飽和脂肪酸を大量に摂取すること」「エタノールを摂取すること」は神経新生を不活性化する模様。なお、ブドウやブルーベリー・クランベリーなどのベリー類、ワインなどに含まれる抗ガン性物質の「レスベラトロル」は新しく生まれた神経細胞の生存期間を長くする効果があるそうです。




他にも、日本の研究グループが食べ物の食感と神経新生の関わりを調べたところ、「やわらかい食事」は神経新生を不活性化し、「咀嚼」を求めるような食事やバリバリした食べ物は神経新生を促進することが明らかになっています。