体組織や臓器を移し替える移植手術は、ドナーが見つからなければ見つかるまで延々と待ち続けなければいけません。そんな移植待ち状態を解消する光となるかもしれない技術が、動物の体内で人間の臓器を作る「キメラ技術」です。
アメリカ国立衛生研究所は声明の中で、「最終的に人間の脳細胞を使ったとすれば、動物の『認識状態』を変えてしまうこともできるかもしれないと懸念している」と述べています。
人間と動物のキメラは、人間の幹細胞を動物の胚に注入することで作ることができます。その後、妊娠した動物の体内に人間の体組織が出来上がります。MIT Technology Reviewの調査によると、過去12カ月で「豚と人間」もしくは「羊と人間」のキメラが推定20体妊娠したようですが、現在のところ人間と動物のキメラに関する論文は公開されておらず、キメラが誕生したという知らせもありません。
人間と動物のキメラに関する研究を行っているソーク研究所のJuan Carlos Izpisua Belmonte氏は、12体以上の豚が人間とのキメラを妊娠することに成功したと明かしています。また、ミネソタ大学は人間の細胞を含んだ豚の胎児(妊娠62日目)の写真を公開しており、この胎児は先天的に眼球異常を抱えていることが明かされました。